社長!アルバイトスタッフの現場を潜入調査してきました

500人以上を統括した営業部長が時給アルバイターから見る風景

朝礼の声出し唱和が矛盾しています。改善しましょう。

 従業員への意識づけ徹底のために、朝礼時にスローガン等を唱和させる企業は多い。専門店の統括マネージャー時代に、小売店舗のスタッフにホスピタリティ浸透のために起案しその運用を推進したことがある。

 

様々なアルバイト経験の記憶、小売店舗への営業時代に納品業者として、自らが所属していないお店の社訓を聞いたこともあるし、開店前のショッピングモールに入店すれば各テナントの朝礼を見かける機会も多い。

 

何年も継続され、意識浸透している企業なら良いが、急に始めた組織にそれを徹底させるのは簡単ではない。現場責任者には「どうして、そんな子供じみたアクションが必要なのか?」をまず理解させなければならない。

 声出し唱和の文化が無かった企業は、現場責任者を管理する幹部職の人間にその習慣がない。素早く浸透させるには末端に指示を出すだけではなく、現場責任者の上長である人間が共にスタートすべきだ。

 

 現場責任者が集まる会議で、マインド浸透のため我々も会議スタート前に唱和をするなど、具体的行動を粘り強く継続し、本気度を見せる必要がある。現場に脚を運び、店舗の朝礼に立ち会う機会があればここぞとばかりにスタッフとともに実施しなければならない。通達だけで従わせようなんて甘すぎる。

 

矛盾していることを唱和させいる企業の現場最適化レベル

さて、いまの物流倉庫のバイトでもこれがある。倉庫スタッフに客対応は必要ない、要約すると以下の3つだ。

 

①事故の無いよう安全に作業をしよう

②作業ルールを守ろう

③挨拶をきちんとしよう

 

様々なレベルの人が多数混在する職場では意識浸透による効率向上は必須であり、良い取り組みだ。しかしやはり問題点はある。②の唱和には作業マニュアルを厳守するというセリフがある。しかし、私が担当するピッキングエリアではマニュアルなど存在しない。

 

朝礼後、配置先を指示された後は野放しだ。手順やルールからそれた場合は同じ時給である先輩アルバイトから指摘される。おそらく倉庫全体における配置によっては明確なマニュアルが存在するのだろうが、一律的に作成された唱和内容では矛盾が生じてしまう。

 

意識徹底にはなぜそうなのか?という大義が必要であり、良い効果を及ぼさない。他営業所から融合した社員スタッフやアルバイトにおいても細かな業務内容画一化における意見の食い違いが、他部署批判や個人への悪口となって末端まで伝わってくる。

 

複雑な業務であればマニュアル作成にわざわざコストをかける必要はないが、単純労働であるこの職場での統一ルール作成は小売店舗のそれに比べてかなりシンプルだと思うのだが。

 

また、接客必要のない倉庫スタッフはベテランスタッフにもコミュニケーション能力の低い無愛想な人の割合が高い。無愛想な人間から口頭で伝えられるルールが多いのだが、新人スタッフが受ける印象はあまり良くなく、その先のモチベーションにも多少の影響がある。

 細かな声を吸い上げ改善する取り組みも見える組織なのだが、毎日の繰り返す業務開始のルーティンから抜けがあるように感じる。

 

この仕組みが採用されている営業拠点は全国に存在する。改善後のインパクトは高い。経営者はこんなシンプルなことに中々気づけない。貴社の朝礼には問題がないだろうか?

上場企業の営業本部長から時給900円のアルバイトになったからその視点でレポートを始める

昨年、独立したが自身に充分な給与分配はできず、最低限の収入確保するために近くの物流倉庫で週3日の働くことにした。

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周期的に訪れるサラリーマン復帰に気持ちを揺らせながら、少しずつ手ごたえを感じる本業を何とか軌道に乗せるため。

サラリーマン時代のキャリア

サラリーマン時代の最終キャリアはアルバイトスタッフを多数抱える中規模の専門チェーンの営業統括本部長をしていた。

正社員として業界に入ったのは30歳、20代を音楽に明け暮れた出遅れ社会人としては運良く出世したほうだと思う。小売店現場の面倒をみるスーパーバイザーとして、国内各地の現場でホームラン級の実績を何本も作って成り上がった。

会社(=オーナー社長)と末端である店舗の間に挟まれ、それぞれの立場や視点を理解し、縦横無尽にアジャストする会社にとって都合の良い歯車として10年以上働いた。各社で重宝された自負はあるが、やはりある程度のメンテナンスをしないと壊れやすい部品であることは確か。その場所からの飛躍を夢見て勝負に出た。

今までのキャリアを生かせない独立はもちろん甘くない

ある程度の貯蓄はあるが派手な資金調達を得られるバックボーンもなく、地味な個人事業主として日々種まきの毎日。そんな自分が中年アルバイターとして企業の最下層労働者として見る風景をレポートしたい。

 

社長の現場潜入レポートなんて演出がなけりゃ放送できない

しばらく前に海外の番組を紹介するテレビ放送でこんなのがあった。

ピザチェーンの社長が見習いバイトとして立場を隠し、何店舗かに入店。現場の問題点やスタッフの良し悪しなどを実際に勤務して確かめるというもの。後で社長だとバラしてサプライズするというもの。

どこの企業もトップが本当の意味で現場を把握することは難しい。番組のように綺麗にはいかない。

 

アルバイト先の詳細

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企業の内部事情を書き記すため、基本的には特定できる会社情報などは伏せ、私も著名で執筆させていただく。

アルバイト先は全国に拠点を持つ都市郊外の小売店向けの物流倉庫。各種メーカーから商品が搬入され、それらをピッキングして小売店に出荷する。物流倉庫の年齢層は広く、若手フリーターから、子育てを一段落終えた主婦、定年を迎えたシニア層、正社員から没落した中年層など様々な人間が数百人が労働する。極めて新しい倉庫のため、最先端の自動システムが導入され、近い将来これらの労働者は減る一方ということを予感させる。

ここから学ぶべきこともきっとあるはず

 誰かのために貢献できる「仕事」という行為は好きだ。内容は単純労働そのもので1週間もすれば年単位で働いているスタッフと大差がなくなる。実際には細かなマニュアルは存在せず、口頭伝達によるもので数ヶ月経った今でも知るルールがあったりもするが。

大きな組織でマネージメントに関わったこそ、感じる問題や気づきは日々蓄積する。経営者や中間管理職として日々奮闘するマネージャーの読み物として貢献できれば幸い。

少しづつ記事を更新していきたい。